ビッグデータ

2016年も活発化が止まらないビッグデータ活用事例7選

2013~2014年をピークにバズワードとなった“ビッグデータ”ですが、最近ではメディアでの露出も落ち着いたことから「一過性のものに過ぎなかった」と認識している方も多いのではないでしょうか?

しかし正しくは“ブームが去った”のではなく“成熟期に入った”のであり、2016年は各業界・企業にけるビッグデータ活用に注目が集まっています。
実は知らないだけで、ビッグデータはかなり幅広い分野で既に実用化されているのです。

矢野総合研究所の調査によると、2015年ユーザー企業のビッグデータ投資額は535億円に上り、IDC Japanでは今後も年率27%で成長すると言われています。
ブームが去って落ち着いたように見えるビッグデータも、水面下で確実に拡大しているのです。

そこで今回は各業界でビッグデータがどのように活用されているかを知って頂くため、海外を含めたビッグデータ活用事例を7つ紹介していきます。

1.豆腐適正生産量の予測モデル/ポッカサッポロ

ポッカサッポロ&ビバレッジ株式会社はビッグデータ研究機関「オプトデータサイエンスラボ」を運営する株式会社オプトホールディングスと提携し、豆腐等の製造販売を行う子会社日本ビーンズ株式会社の豆腐適正生産量の予測モデルコンテストを開催しました。

国内のおける食品ロス(食品の廃棄問題)は年間1,700万トンにも及び、うち可食部分は500~800万トンと言われています。
これを受け農林水産省は、各食品企業が食品ロスのためお改善を進めていくことが重要だと提唱しているのです。

そこで上記3社が提携し、豆腐の適正生産量の予測モデルを新たに開発するため、コンテストを開催するに至りました。

コンテスト参加者へは気象庁データや日本ビーンズにおける特売予測データ提供され、参加者はこれらビッグデータをもとに予測モデルを構築します。
結果として、コンテスト優勝予測モデルを採用することで需要予測担当者の予測精度が15%改善されました。

参考:ポッカサッポロニュース

2.AIによる精神障がい者の自殺予測/LITALICO

障がい者向けに就労支援事業や教育事業を展開する株式会社LITALICOは、AI(人工知能)を活用したビッグデータ解析事業を展開する株式会社UBICと協業し精神障がい者の自殺予測を行う仕組みを構築しました。

2018年には各企業において精神障がい者の雇用義務が課せられ精神障がい者の雇用が活発化する一方、毎年仕事でのストレスが原因で精神障がいをきたす人が増加しています。
さらに、日本で自殺を図った人の約75%は精神障がいを発症しているとの調査結果もあり、自殺予防対策は現代が抱える社会問題の一つです。

そこでLITALICOでは障がい者支援事業である「ウイグル」にてこれまで支援してきた7,000人のデータをUBICのI技術「KIBIT(キビット)」に読み込むことで、自殺予防に対する取り組みを見せています。

参考:LITALICOプレスリリース

3.渋滞予測・信号制御の信頼性向上/NTTデータ

NTTデータが研究開発を行っている渋滞予測・信号制御技術は、対象エリアに設置されたセンサーから取得する大量のデータにより交通状況を分析、これに基づき信号制御を行っています。
しかしこういったデータ分析では交通時間によりデータ量が刻一刻と変化し、時には膨大な量の交通データを生みだします。

こうしたデータ量の変化に対応するためにはスケーラブルなシステムが必要であり、さらに限られた時間内に信号制御へフィードバックを行わなければならないため、リアルタイム性と高い信頼性が求められます。

そこでNTTデータはNTTと共同実験を行い、分散技術を駆使した新アーキテクチャ「MGONIA(マゴニア)」を適用しました。

この実験では既存のアプリケーションロジックはそのままに、MAGONIAの基盤上に分散処理部を搭載。これによりスケーラビリティとリアルタイム性、そして信頼性の向上が確認できたようです。

NTTデータでは今後、渋滞予測・信号制御技術の実用化に伴いMAGONIAの価値をパートナー企業への提供していくとしています。

参考:NTTニュースリリース

4.Web不動産カウル/Housmart

仲介手数料最大無料をコンセプトに中古マンションの売買を行っているWeb不動産「カウル」は、株式会社Housmartが2016年1月に運営をスタートした注目の新サービスです。
開始5ヵ月で流通総額は5億4,000万円に上り取り扱い物件は13,000件、「200万円台の手数料が無料になった!」との声も多数あり、各方面から反響を呼んでいます。

そんなHousmartが2016年6月に「カウル」でリリースした新機能が販売物件の「価格推定機能」です。
これはHousmartが保有する過去700万件に上る物件の売買/賃貸事例/新築分譲価格などのビッグデータをAIに取り込み、述べ4,000以上にも昇る評価項目を設けることで中古マンション物件の適正価格を算出するものとなります。

実は、2016年3月時点の首都圏新築マンション平均販売価格が5,638万円と、1991年バブル期以来の高値(5,999万円)となっており、現在中古マンションに大きな注目が集まっているのです。
これを背景にリリースされた「カウル」の新機能は、新たなユーザー層の獲得に繋がるか今後注目が集まります。

参考:「カウル」プレスリリース

5.空気清浄化技術nanoe/パナソニック

2014年パナソニックが見せたビッグデータ活用事例は、Twitter内のツイートを利用したもので非常に実用的な事例としても有名です。

車載機器事業において、Twitter内の「車内」に関する200万件のツイートを収集し、「面倒」や「不便」といったネガティブキーワードで6,000件のツイートを抽出。
これを基にドライバーが「社内で困っていることは何か?」を分析しました。

結果、全体の78%が「生活・飲食」に関する悩みであり、中でもファーストフードやニンイクによる「ニオイ」に悩まされているツイートが約3,000件と過半数に上ることが分かりました。
パナソニックはこの分析結果をもとに、同社の空気清浄化技術nanoe(ナノイー)を提供することで、BtoB事業の採用に繋がったようです。

ビッグデータと聞くと自社に蓄積されていく顧客データなどをパッと想定する方も多いでしょうが、こういったソーシャルメディアを活用したデータ分析も立派なビッグデータ活用と言えます。
外部のデータを有効的に活用した良い事例でしょう。

参考:日経BP

6.インダストリー4.0/ドイツ

「第4次産業革命」とも呼ばれている「インダストリー4.0」をご存知の方も多いと思います。
これはドイツにおける「Smart Factory(スマート工場)」を提唱するものであり、IoTやAIを駆使することでよりデジタライズされた工場を目指す概念です。

簡単な概要としては工場が工場以外のモバイルデバイスや物流、エネルギーといったデータを双方間でやり取りし、より自律的・協調的な活動を行うこととなります。

例えば製造工程において突発的なトラブルが発生したとき、ボトルネックとなっているプロセスを瞬時に全体工程で共有し、この情報をもとに生産速度や生産工程をケースバイケースで最適化していきます。

また、工場の無人化が進み製造ラインではロボットが製造作業にあたり、人材は工場ではなく自宅などの遠隔地から操作を行います。

インダストリー4.0にはBMWやDimler、Boshなど有名企業の他、大学の研究機関や政府関係者も参画しており、年間200億円を超える予算のもと研究が進んでいます。

7.クレルモン・フェラン大学病院/フランス

フランスにあるクレルモン・フェラン大学病院はMicrosoftと医療機器メーカーであるCapsule Technologieと協業し、ネットワークに接続された医療機器の導入を行っています。

医師がモバイルアプリの認証を行うと医療機器から患者データを直接システムへ送信し、短時間で大量の患者データを取得することが可能です。

こういった医療への取り組みは国内にも存在し、ドコモヘルスケアがリリースした「WM(ワタシムーブ)」などが代表的です。

まとめ

いかがでしょうか?各業界において、ビッグデータはかなり活発化しているのがわかるのではないかと思います。
国内では今後2020年に東京オリンピックが控えており、同年の来日観光客数は3,000万人にも上ると予測されています。

つまり、かなり大量のビッグデータが生み出される、あるいはビッグデータを活用した事業展開が盛んになるという意味でもありますね。

皆さんの企業ではビッグデータ活用への動きが見られているでしょうか?
日々社内外に蓄積されていく膨大な量のデータを上手く活用することができれば、今後もビジネスを拡大していくチャンスは多いにあります。

本稿を機に、ビッグデータへの関心が高まり活用考える方が増えれば幸いです。

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