IoT

IoTとM2Mの違いを優しく解説!

皆さんは、IoT(Internet of Things)という言葉が誕生する以前から存在していた「M2M」という言葉をご存知ですか?
M2Mとは「Machine to Machine」の略であり、つまり”接続された機器同士でデータの送受信、制御、操作を行う”といものです。

“全てのモノをインターネットを接続する”という概念を持つIoTと似通った部分もあるので、「結局同じじゃないの?」と混同してしまいがちです。
しかし同じように見えて、IoTのM2Mの概念は異なります。

今回はIoTの歴史を踏まえつつ、2つの違いを解説していきます。

IoTとM2Mの違い

IoTの歴史

IoTはここ最近話題となっている言葉ですが、概念としては既に30年以上前に誕生しています。
それが、1984年に東京大学大学院情報学環教授である坂村健教授がプロジェクトリーダーとして推進した「TRONプロジェクト」です。(当時は東京大学理学部情報科学科助手)

このTRONプロジェクトはリアルタイム組み込みOSの「ITRON」、ビジネス向けの「BTORN」、大規模環境に対応した「MTORN」、通信インフラ用の「CTRON」、ハードウェアである「TRONHIP」といった複数のサブプロジェクトから成るものであり、当時コンピュータ設計アーキテクチャに関する議論が盛んに行われていたころに推進していました。

ちなみにTRONプロジェクトの多くは現代に残されていませんが、日立製作所のHI68Kなどに実装されたことから当時話題となりました。

そしてTRONプロジェクトが結局のところ目指していたものは「どこでもコンピュータ」という概念です。
つまり時間や場所、デバイスを選ばず全ての人が瞬時にインターネットに繋がれる時代というIoTの概念に非常に近いものがあります。
こうした背景からTRONプロジェクトはしばしばIoTの原型とも言われているのです。

その後1991年に米国のパルアルト研究所に所属していたマーク・ワイザーの論文によって「ユビキタス・コンピューティング」という概念が提唱され始めます。

論文の中でユビキタス・コンピューティングは「コンピューターが環境の中に溶け込み、いずれすっかりと消えてしまう」と説明されています。
つまり、現代のユーザインターフェースの在り方を示しているのですが、この概念は次第に一人歩きしていくのです。

「ユビキタス」という言葉が持つ意味はもともと「偏在(いつでもどこでも存在すること)」であり、この言葉通りユビキタス・コンピューティングは「いつでもどこでも誰でも、デバイスを選ばず容易に、また意識せずにネットワークに接続し情報交換を行う」という意味として確立していきました。
ユビキタス・コンピューティングという言葉は現代のIoTにより近いものとされています。

そしていよいよIoTという言葉の誕生ですが、これは1999年にイギリスの無線IDタグの専門家及びプロダクターであるケビン・アシュトンが初めて使用した言葉と言われています。
ちなみに同氏はMIT(マサチューセッツ工科大学)において「Auto-IDセンター」を共同設立し、RFID(無線IDタグ)の世界標準を作成した人物です。

ここからIoTは徐々に浸透していき、今ののICT(※1)時代を牽引するまでに成長したというわけです。

※1:ICTとは「Internet and Communication Technology」の略であり、従来のIT(Internet Technology)に「Communication:コミュニケーション」を追加した新しい概念。

M2Mとは

M2Mとは異なるコンピュータ同士が接続され、双方間でのデータ送受信や制御、操作などを可能とするものなので、“全てのモノをインターネットと接続する”というIoTとは少々ニュアンスが異なります。

デバイスとインターネットに接続することが大前提であるIoTに対し、ネットワークによりコンピュータ同士が接続されていればM2Mだと言えます。
しかし最近になって「IoTはM2Mを内包した概念だ」という声が増えてきていますね。

つまりIoTではデバイスとインターネットを繋ぐだけでなく、デバイス同士を接続することでより高度なデータ取得を可能にしようとしているのです。
異なるコンピュータ同士が接続されれば確かに「IoTはM2Mを包括している」と言えます。

M2Mを包括したIoTの事例

M2Mを包括したIoTの例を挙げるとするなら、代表的なものはドイツの「インダストリー4.0」です。
これは「第4次産業革命」とも呼ばれ、歴史的に様々変貌を遂げてきた産業が新たなステージへつ踏み出す試みでもあります。
BMWやBoshといったドイツを代表する企業や、研究機関、大学、政府関係者などが参画し年間200億円を投資して研究開発が進められているプロジェクトです。

概要としては、工場に点在する機器をスマートデバイスやその他のデバイスと接続し、相互間でデータのやり取りを行いつつ生産プロセスの最適化、つまり「Smart Factory(スマート工場)」を目指すということです。

工場がスマート化することで全生産プロセスはデータによってやり取りがされます。
例えばある工程でトラブルが発生した場合、そのデータを全生産ラインで瞬時に共有しトラブルの状況に応じて生産スピードや工程を最適化します。
また、生産ラインに立つのは人ではなく自律的に稼働するロボットであり、労働者は自宅や遠隔地からロボットを操作することで労働するようになるのです。

こうしたインダストリー4.0は大幅なコスト削減と生産性の向上、そして深刻化する労働者不足などを解消するため推進されているのです。

インダストリー4.0ではコンピュータ間がネットワークにより接続され、さらに遠隔地からの操作のためにインターネットへの接続も必要とされています。
まさにM2Mを包括したいIoTを体現した事例と言えますね。

IoTもM2Mもビッグデータ解析が鍵

“ビッグデータ”も近年話題になっている言葉の一つであり、今やITに従事していなくとも知らない方はいないというくらい浸透しています。
ちなみにビッグデータとは“事業にとて有用な知見に役立つ情報を導き出すためのデータ“とされていますが、データの種類に明確な定義はなく多岐に渡って活用されています。

例えば皆さんが普段インターネットを使用する際に発生するトラフィックですが、一つ一つはとても小さなものでも全てのトラフィックを集めるとまるで大きな渦のような存在です。
こうしたWebトラフィックもビッグデータ一種であり、日々Webマーケティングなどの分野において活用されています。

そしてビッグデータはデジタル世界の中だけでなく、現実世界にも数多く存在します。
むしろ現実世界におけるビッグデータ解析こそが、IoTやM2Mを実現するための最も重要な要素なのです。

代表的な例で言えば交通量や皆さんの生体情報など、果ては1日の歩数や活動量などもビッグデータとして捉えIoTやM2Mに活用することができます。

ですので、IoTやM2Mを実用的なものにする鍵はいかにして現実世界のビッグデータを収集/解析し、ユーザーにとって快適な体験を提供するかにかかっているのです。

IoTやM2Mの未来

日本を代表する通信テクノロジー会社であるソフトバンクの孫正義CEOは、2015年7月に行われた「Softbank Award 2015」にてインターネット産業の歴史と、Softbank社の今後の経営方針を語っていました。

この中でSoftbankが考える情報革命を牽引する3つの要素のうち、1つがIoTであると指摘しています。
孫正義氏によると30年後の世界では1人あたり平均1,000個のIoTデバイスを所持し、全てがインターネットに接続され日々膨大な量のビッグデータが生み出されていきます。
個人も企業も、このビッグデータを分析した結果に意思決定が大きく左右さる時代がくると説明しているのです。

この孫正義氏の指摘に類似した考えは世界各地で見られています。
例えば米調査会社のガートナー社は2020年のIoTデバイスは約300億個にも上り、世界人口の4倍以上にも上るとされています。
また、シスコシステムス社やIBM社にいたっては2020年までにIoTデバイスは500億個に上ると予測しており、どちらにしても今後IoTの分野が目覚まし発展を遂げると期待されているのです。

現在においても、既に製品化されているIoTデバイスがいくつも存在するので、今後徐々に皆さんの生活に浸透していくのではないかと思います。

もちろんIoTやM2Mを実現するためには多くの課題も存在しますが、IT技術の発展が大きなうねりを上げて成長している現代では、課題解決も時間の問題と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?今回はIoTとM2Mの違いを解説しつつ、将来の展望なども合わせて紹介しました。
皆さんは既にIoT/M2Mデバイスに触れたことはあるでしょうか?

ドアにタッチパネルが装備されたスマート冷蔵庫やインターネット接続可能な電子レンジなど、一般的な場面でも徐々に目にすることができるようになっています。
少しずつですが確実に拡大しているのを肌で感じている方も多いでしょう。

この拡大は次第に大きくなり、IoT/M2Mが皆さんにとって無視できない存在となる未来はすぐそこまできています。
また、生活の中だけでなくビジネスにおいても徐々に浸透していますね。

本稿において、皆さんがIoTとM2Mの違いを理解し、2つの領域に対する興味を深めて頂けたのであれば幸いです。
もしかすると、皆さんの企業をさらに躍進させる存在はこのIoTやM2Mといった新しい技術かもしれません。

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