IoT

IoTとは?全てのモノとインターネットが繋がる利便性と、危険性

全ての”モノ”がネットワークで接続され、様々サービスを提供する世界を想像したことは誰もがあると思います。
実はそんな世界がもうすぐそこまで来ていることをご存知でしょうか?

みなさん”IoT”という言葉をどこかしらで耳にしたことがあるでしょう。
これこそが誰もが想い描いていた世界を実現するためのキーワードであり、現在世界各地
の企業で開発が進んでいる企業でもあります。

「IoT?またIT業界得意のバズワード?」と思われてる方も少なくないでしょうが、実はかなり身近なところまで来ているのです。

そこで今回はこの”IoT”とは何か?を解説していきたいと思います。

IoTとは

IoTとは「Internet of Things」の略であり、日本語では「モノのインターネット」という意味があります。
つまり全てのもモノとインターネットが接続され、モノとモノの間で広大なネットワークが構築されることで生活の利便性やビジネスの概念が変化するというのが一般的な解説です。

身近な例を挙げてみると、最近ではスマートフォンアプリで開閉が可能な”スマートロック”という鍵が開発されています。
これはスマートフォンにインストールした専用アプリを使用することで、自宅ドアの鍵を開閉できるという技術です。

既に実装例もあり商品化されているものもあります。
例えばLINEやFacebookといったSNSメッセージを使用して友人が訪れる時間のみ鍵をシェアしたり、鍵の複製が必要ないといった利便性を提供しています。

もちろん、IoTはこれに限らず実に幅広い分野において注力されている技術です。

IoTが指す”モノ”とは何か

では、具体的にIoTが指す”モノ”とは何か?実はこの問いに対する明確な定義はありません。
強いて言うなら”この世に存在するあらゆるモノ”がIoTの対象となります。

家電製品がインターネットに接続されている状況を想像するのは比較的容易かと思います。
冷蔵庫ならドア部分にタッチパネルが設置され、室内の温度や食材の有無などを常に監視することができます。
足りない食材があれば冷蔵庫がユーザーに通知し、タッチパネルから直接購入をすることができる。
こういった冷蔵庫に関しても”スマート冷蔵庫”と称され既に商品化されています。

このような家電製品のIoT化は容易に想像ができますが、では冷蔵庫に入れる食材のパッケージがIoT化するというのはどうでしょう?一気に想像が難しくなりますね。

例えば牛乳パックにスマート冷蔵庫が読み取れるICチップを埋め込んだとします。
するとスマート冷蔵庫はICチップデータから賞味期限データを読み取り、食品の有無だけでなく食品の鮮度までを管理できるようになるでしょう。

そしてさらに、ユーザーがスマート冷蔵庫に登録した食品がなくなりそうになると自動で注文され、次の日には自宅に食品が届きます。
もちろん、クレジットカードとの連動もされているので自動決済でいちいち支払いをする必要性もありません。

いかがでしょうか?ただ冷蔵庫の中身を確認したり、タッチパネルから注文するのではなくあらゆる利便性を高めています。
これぞスマート、まさにIoTと言ったところですね。

例えが長くなりましたが、つまりここで言いたいのはIoTにおいて対象とならない”モノ”はないということです。
むしろIoTで対象を絞ってしまうことはアイディアを制限してしまうことになり、最適なビジネス展開が実現しなくなってしまいます。

IoTが目指すところは、ありとあらゆるモノとインターネット、そしてモノとモノが接続された時代なのです。

IoTの基本概念

IoTを実現するための基本概念は4つの要素で構成されています。

1.モノに付属されたセンサーがデータを取得する

センサーは温度、湿度、色、動き、音声、静止画、動画などあらゆるデータを取得することができます。
目的に応じて最適なセンサーを取り付けることがIoTの第一歩です。

2.取得したデータがクラウド上に蓄積されていく

クラウドとはインターネット上の世界を指し、IoTではクラウド上のサーバストレージにデータをどんどん蓄積していきます。

蓄積されたデータを分析する

蓄積されたデータは即時性のあるものがリアルタイム処理によって分析され、即時性のないものはバッチ処理などで一括分析されます。

クラウドはインターネット経由で提供されるインフラなので、拡張性に優れ必要に応じてリソースを増減できることからIoTとの相性が良いのです。

4.分析結果がモノに送信され、それに応じてアクションを起こす

分析結果をもとに、インターネットと接続されたモノにがアクションを起こします。

以上がIoTの基本概念となりますが、最も重要なのがモノが起こすアクションであり、その中でもユーザーに対するフィードバックが必要不可欠です。

フィードバックの意識が大切

先に紹介したスマートロックですが、正直「スマートフォンだで鍵を開閉する」というサービスだけでは欲しいと思う方は少ないでしょう。
むしろ「セキュリティ的に問題があるんじゃないの?」と心配になるくらいですね。

そこでIoTをより利便性を高めるために必要になるのが、モノからユーザーに対するフィードバックです。

例えばスマートロックがただ鍵を開閉するだけでなく、家族がそれぞれ持つスマートロックにはIDが付与されていて、だれがいつ鍵を開閉したかを確認することができるとしたら?
共働きで小学生の子供がいる家庭なら、職場から子供がしっかりと家に帰ったことを確認することができます。
また、鍵の開閉だけでなくドアを通った際のデータを取得すれば、「遊びに出かけたのだな」と確認することも可能ですね。

もしもIDのない不正侵入を確認することができれば、空き巣が入ったとすぐに対処することもできます。

このように、IoTで常に重要なのはユーザーへのフィードバックです。
フィードバックがあるからこそ利便性を最大限に高め、IoTの真価を発揮することができます。

IoTが孕む危険性

“全てのモノとインターネットが繋がる時代”は生活の利便性をビジネスを根底から変化させるだけでなく、リスクがあるということも理解していなくてはなりません。

数年前に全米のシステムがサイバーテロによりストップし、一人の刑事がそれを救うという映画がありましたが、IoTによりモノとインターネットが繋がるほどこの映画にリアリティが増していきます。
しかも、現実にはサイバー攻撃に一人で立ち向かい世界を救うヒーローは残念ながら存在しません。

このためIoT時代に必要なのは最適なリスクマネジメントと、サイバー攻撃を未然に防ぐセキュリティです。

リスク1:第三者による攻撃

サイバー攻撃はもちろんのことですが、IoTが普及すると攻撃者はもっと身近なところに現れます。
2012年米国によって行われた研究では、ピースメーカーに対し10弱圏内で致死量の電流を流すソフトウェアの実験がされています。

つまりこれは、ピースメーカーに限らずIoT製品に障害を起こしたり、不正に情報を盗み取るようなソフトウェア開発の危険性を意味しています。

IoTの普及でサーバ攻撃者はインターネットの向こう側ではなく、ごく身近な存在になるかもしれません。

リスク2:IoT製品自体が悪質なプログラムとなる

近年ロシアにおいて、中国製のアイロン製品に埋め込まれたチップが近隣200mの無線ネットワークに不正で接続し、マルウェアをまき散らすという事例が発生しています。

先のスマート冷蔵庫の例で挙げたように、IoT時代が現実化していくにつれあらゆるモノにICチップが埋め込まれていきます。
そうしたICチップ自体に悪質なプログラムが組み込まれている危険性などもあるので、企業はもちろんユーザーまで今まで以上にセキュリティ意識を高める必要があるのです。

リスク3:不正操作の対象となる

2015年に開催された世界最大にセキュリティ・カンファレンス「Black Hut USA」では、自動車への攻撃研究事例が発表されています。
内容はスマートフォンから車載されているチップに侵入し、ハンドルやエンジンを不正操作するというものです。

ちなみに車載されていたチップはそもそも自動車の運転を制御するものではなく、車両情報をWebサービスで閲覧するためのものです。

このように、攻撃者によってはIoTでインターネットと接続されたモノに対し、本来の目的とは異なる挙動をさせる可能性もあります。

IoTがもたらすものは必ずしも利便性だけではありません。IoT製品を開発する企業もそれを使用するユーザーも、利便性が高まると同時にリスクも高まるという意識をしっかりと持つ必要があるのです。

まとめ

今回IoTについて解説しましたが、気付けばITが中心となる時代はすぐそこまで来ています。
既に多数の自治体や企業がこのIoTに取り組んでおり、急速なスピードで発展を遂げています。
これからのユーザーの生活やビジネスはもっとITに寄り添ったものとなり、インターネット接続なしでは生活できない未来へと徐々に拡大していくでしょう。

そしてこのIoTを実現するのに重要なのはTB(テラバイト)級のデータ処理であり、膨大な量のデータをどう捌くかが鍵となります。
このため、大量のデータをリアルタイムあるいは一括処理するようなソリューションの需要が高まっていくでしょう。

皆さんの企業でも、全てのモノとインターネットを接続するIoTに視野を広げ、ビジネスを展開してみてはいかがでしょうか?

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