現在、基幹システム再構築を目指す企業が多いのは、海外進出や老朽化したシステムなど、様々な問題からの脱却が重要課題となっているためです。ただ、基幹システム再構築を実行するすべての企業が、成功しているわけではありません。
中には、再構築に失敗し、システム環境そのものを再度見直さなくてはならない企業も存在します。今回は、そんな基幹システム再構築の目的と、成功ポイントについて紹介していきます。
なぜ、基幹システム再構築のニーズが多いのか?
基幹システム再構築のニーズがなぜ多いのかを、詳しく説明していきます。
・急速な海外進出を実現するシステム基盤を整える
日本市場の成熟化によって、多くの企業が海外へ新たなビジネスチャンスを見出しています。あるいは、メイドインジャパンの製品が海外に人気なことから、オリジナル製品を世界に打ち出していこう、という企業が増加しています。
こうした海外進出は今、急速に拡大中です。JETRO(独立行政法人 日本貿易振興機構)の調査によれば、「海外進出の拡大を図る」としている企業は全体の60.4%もあり、4年ぶりに高水準をマークしています。
特に中小企業の海外進出が活発化しており、今後「海外進出の拡大を図る」という中小企業は58.5%と過去最高数値です。
参考:JETRO「2016 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査~JETRO 海外ビジネス調査~ 」
こうした海外進出を成功させようと、多くの企業が基幹システム再構築を検討しています。
つまり、海外拠点を含めて基幹システムの統合を目指したり、世界規模の会計基準に対応した、システム環境の構築などを目指しているのです。
システム老朽化が深刻になっている
多くの企業でシステム老朽化が進んでいます。日経BP ITProの調査では、約9割の企業がシステム老朽化に対する取り組みを始めているといいます。
参考:日経BP ITPro「運用実態徹底調査2013 現場が疲弊する理由9割の企業がシステムの老朽化に取り組む」
システム老朽化が進むことで、企業のビジネスは停滞します。最も大きな問題は、老朽化したシステムが、現場の加速するビジネスニーズを満たすだけの、パフォーマンスを発揮できないことです。
たとえば営業が請求書一つ発行するのにも、老朽化したシステムでは経理部門に連絡し、データを譲渡した上で、請求書発行を行います。しかし、現場で求められている本当のスピードは、その数倍から数十倍です。
これが、基幹システムを再構築した企業なら、営業自ら請求書発行を行えたり、経理システムとの連携で、情報伝達のスピードが大幅にアップします。
ちなみにこうしたシステム老朽化の影響は、何も営業システムだけではありません。すべての基幹システムにとって、老朽化は重大な問題となっています。
分断化されたシステム環境でデータ活用が促進しない
ビッグデータの重要性が叫ばれるようになってから数年が経過します。しかし、いまだベストなデータ活用をビジネスに取り入れられている企業は多くありません。原因は、分断化されたシステム環境によって、データ活用に手間と時間がかかり過ぎることです。
データ活用によってビジネスを加速するためには、リアルタイムなデータ分析基盤が必要となります。しかし、分断化されたシステム環境では、必要なデータの収集や加工だけでも多くの手間と時間を費やします。
その結果、1ヵ月前のデータを分析しながら、ビジネスの意思決定を下していくという状況が少なくありません。データが基本鮮度が命であり、リアルタイムなデータ分析を実現できなければ、データ活用が促進しません。
こうした課題を前に、基幹システム再構築によって各システムを統合し、データの一元管理を実現しようという企業が増えています。
基幹システム再構築を成功させるためには?
先に紹介したように、企業が基幹システム再構築を実行する目的は実に様々です。しかし、その目的にしても、基幹システム再構築は簡単なものではありません。プロジェクトが大規模な分、失敗すれば大きな打撃になります。では、基幹システム再構築を成功させるためには、どんなポイントを押さえればいいのでしょうか?
アセスメントを徹底し、最適な基幹システム再構築を定義する
一口に基幹システム再構築といって、その形態は実に様々です。既存システム環境をクラウド化するような再構築もあれば、ERPのように基幹システムを統合しようという取り組みもあります。いずれの形態であっても、まず大切なことがアセスメント(現状評価)を徹底することです。
つまり、現状の基幹システム環境を整理した、何が問題で何が原因か、どうすれば解決できるのかを把握します。こうしたアセスメントには、かなりの時間がかかります。しかし、アセスメントを徹底しなければ、自社にとって最適な基幹システム再構築は見えてきません。
さらに、既存のシステム環境のアセスメントを行った上で、自社が目指す基幹システム再構築を明確に定義します。こうすることで、組織が何を行うべきかが明確になり、プロジェクトチーム一丸となって、一貫した基幹システム再構築に目指すことが可能です。
超高速開発ツールを導入する
基幹システム再構築は企業にとって新たなビジネス価値を創出します。ただし、同時に再構築にかかる負担も大きなものです。そもそも日本のIT人材不足という背景もあり、なかなか基幹システム再構築に踏み出せない企業も多いでしょう。
そこで、システム開発期間を大幅に短縮することができる「超高速開発ツール」の導入をおすすめします。超高速開発ツールとは、主にバッチ処理の高速化、プログラム自動生成によるノンコーディングによって、迅速なシステム開発を提供するためのITシステムです。
たとえば、インテリジェントモデルが提供する大規模バッチ処理システム「ODIP」は、ビジネスプロセスのプログラムコーディングを一切必要とせず、GUIベースの設計ツールで定義することができます。さらに、本来の用途であるバッチ処理システムとしての側面もあるので、システム開発期間を大幅に短縮し、低リソースで迅速な基幹システム再構築を支援します。
このように、超高速開発ツールを導入することで、慢性的なIT人材不足を解消しつつ、自社にとって最適な基幹システム再構築を実現することが可能です。
まとめ
基幹システム再構築のニーズは日増しに強くなっています。激動のビジネス社会にある今、企業のビジネスニーズは常に変化し、それに対応していかなければなりません。しかし、企業の頭脳ともいえる基幹システムが柔軟でなければ、そうしたビジネスニーズの変化に対応することはできません。こうした変化への対応のため、基幹システム再構築が強く求められているのです。
クラウド化、基幹システム統合、システム刷新など、いかなる基幹システム再構築であっても、開発スピードの向上は重要課題です。迅速な開発を実現する、ODIPの導入をぜひご検討ください。