2020年にプログラミングの授業が必修化されるというニュースが昨年に流れてから、日本全体でその動向に注目が集まっています。慢性的なIT人材不足に見舞われている日本では、その数が2030年に78.9万人に達するといわれています。
引用:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~ 報告書概要版 ~」
プログラミング授業の必修化により、こうしたIT人材不足は、現在の推測よりも少ないものになるでしょう。しかし、今を生きる企業にとって、重要なのは将来のIT人材不足ではなく、現在のIT人材不足です。特に、優秀なIT人材確保が難しいような中小企業にとってこうした問題は深刻であり、早急な対処が必要でしょう。
そこで開発ツールへのニーズが徐々に高まっています。優秀なIT人材を長期にわたって確保することは難しくとも、ツールを活用して開発期間を短縮することで、こうしたIT人材不足に対処できます。
今回はこの開発ツールに関して具体的に紹介していきます。
開発ツールとは?
一口に開発ツールといっても様々なものがあるので、「開発ツールとはこういうものだ!」と一言では表せません。ただし共通して言えることはあります。それは、開発ツールとはソフトウェア開発やそれにかかわる作業のうち、反復して行う定型作業を自動化し、効率化することです。
例えばフルスクラッチ開発ではなく、セミオーダー的なソフトウェア開発を行っている場合、顧客が異なっても特定の部分では同じコードを使用することになります。このとき、オーダーごとに手作業でコードを書いていると、作業効率が下がるだけでなく品質が安定しなかったりと様々な問題が発生します。
このように、オーダーにかかわらず同一に発生するコードに関しては、開発ツールで自動生成すれば作業効率が上がり、製品としての品質も安定します。ただしこれはあくまで簡単な例であり、実際の開発ツールではもっと複雑な作業も自動化できる特徴があります。
皆さんはWordPressなどのブログ作成ツールを使用してことはないでしょうか?WordPressではコードを書かずとも、特定の操作によってコードを自動生成されるため、最低限の知識さえあれば簡単にブログを作成できます。
開発ツールのイメージは、WordPressのようなブログ作成ツールに近いものと考えると、イメージしやすいかと思います。
開発ツールのトレンド
開発ツールには様々な種類があり、時代によってトレンドも違います。ここでは、今現在トレンドになっている開発ツールについて紹介します。
超高速開発ツール
超高速開発ツールとは、業務アプリケーションなどの開発におけるプロセスを削減し、開発工数を短縮するためのツールまたはその手法を指します。文字通り開発工数を大幅に削減するためのツールであり、IT人材不足問題へ対処するための手段として有効です。
その主な概要はプログラム自動生成によるノンコーディングと、バッチ処理の高速化です。
異なるソフトウェアを開発する際も、同じコードを書く機会は五万とあります。そうした作業を一つひとつマニュアルで行うことは、明らかに非効率です。超高速開発ツールはGUIベースによるプログラム生成を可能にするため、同一コードを書く際の作業を大幅に削減できます。
さらにソフトウェア開発に生じる大規模データのバッチ処理も、高速に行うことで開発期間の短縮を可能にします。
API
改修に次ぐ改修でソフトウェアが肥大化すると、それに伴い共通する部分も多く発生します。ソフトウェアが肥大化するということはその分管理が複雑になり、保守コストも大きくなります。こうした問題を解決するのがAPI(Application Programming Interface)です。
APIは共通する部分のプログラムを別で生成しておき、各ソフトウェアは必要に応じてAPIを使用し、そのプログラムを呼び出します。こうすることで、共通するプログラムを一つにまとめられ、ソフトウェアの肥大化を防げます。
最近ではWebサービス提供事業者がAPIを公開していることも多く、そもそもAPI用のプログラムを生成する必要も無いケースが多いでしょう。
テストツール
ソフトウェア開発におけるテストを自動化するためのツールです。顧客からのコスト削減要望に応じて、やむを得ずテスト工数を削減することは少なくありません。しかし、テスト工数が少ないほどソフトウェアとしての品質が下がるため、後々クレームに発展したり、顧客満足度を下げる原因にもなります。
テストツールは特定のテスト工数を削減することで、短期間でのテストを実現します。テスト品質も安定するので、ソフトウェア自体の品質安定にもつながり、結果としてクレーム削減や顧客満足度向上にもなります。
開発ツールの注意点
開発ツールを導入する上で、注意すべき2つの点があります。これを無視した導入をすると、開発ツールを有効活用できない可能性があるので必ず確認しましょう。
開発工数をすべて削減するわけではない
開発ツールといっても、ソフトウェア開発におけるすべての工数を削減できるわけではありません。工数削減できる部分はあくまで一部であるため、場合によってうまく導入効果が表れないケースもあるでしょう。
たとえば、一からのフルスクラッチ開発を売りにしている会社の場合、同一コードを書くことが少ないため、開発工数削減の効果が薄れてしまいます。
イレギュラーな要件には向かない
開発ツールは同一プログラムのコードを自動生成するため、イレギュラーな要件への対応には不向きという側面があります。そのため、開発ツールを導入する際は、自社のソフトウェア開発を十分に理解した上で、適切な製品を導入することが大切です。
超高速開発ツールのODIP
インテリジェントモデルが提供する超高速開発ツールのODIPは、これまでの開発工数を大幅に削減し、IT人材不足問題の解消や、ソフトウェア品質の安定を支援するツールです。ODIPでは、GUIベースでプログラムコーディングを行えるため、企業ごとのルールに応じて自動的にコードを生成します。そんため、ソフトウェア開発における大部分を効率化できるため、様々な課題を解決できます。
さらに、ODIPは大規模バッチ処理としての側面も持っているため、ソフトウェア開発におけるバッチ処理作業を大幅に削減します。
まとめ
開発ツールは今後、多くの企業にとってさらに重要視される製品です。定型作業を自動化する効果は予想以上に大きく、様々な課題を解決します。皆さんのソフトウェア開発では、現在どのような課題を持っているでしょうか?もしかすると、その課題を解決できるのは開発ツールかもしれません。
IT人材が慢性的に不足している、開発工数が多くて納期が間に合わない、ソフトウェアの品質が安定しないなどの問題を抱えている企業は、ぜひ開発ツールの導入を検討してみてください。特に、超高速開発ツールによる工数削減効果などは、企業にとって大きなメリットをもたらすでしょう。