IoT

IoTの光と影、デジタル世界に向けて残された5つの課題

2013年10月に米調査会社であるガートナー者が発表したデータによると、2020年までにネットワーク接続されたデバイスは300億個以上に上ります。
うちIoTデバイスが300個、PCやスマートフォンといったパーソナルデバイスが73億個と、IoTデバイスがパーソナルデバイスを大幅に上回る予測です。

また米シスコシステムズやIBMは2020年のIoTデバイスは500億個を超えるという強気な予測を発表していますが、こえらの数字が正確であるかないかは関係なくIoTに対する注目度が高いことが見て取れます。

しかし同時に、IoTにはいくつかの課題が残されているのも事実です。

今回は年々注目度が高まり、2016年には各方面での活用が期待されているIoTの課題について紹介していきます。

IoTのおさらい

少しおさらいしておくとIoTとは「Internet of Things:モノのインターネット」の略であり、簡単に言えば“全てのモノとインターネットを繋げて生活の利便性を高めたり、ビジネスに活用しよう”という概念及び技術を指します。

IoTで言う“全てのモノ”とはまさに全てであり皆さんが普段利用している冷蔵庫や電子レンジといた家電製品はもちろんのこと、机や椅子など電子機器ではないもの、果てはゴミ箱なども対象となり、あらゆるモノがネットワークで接続された世界を目指しています。

IoTが活発化している背景

数年前にビッグデータがバズワードとなってからしばらく経ちますが、思いのほか目立った活用事例がないと感じている方も多いかと思います。
理由としては、リアル(現実世界)で生み出されるデータを収集するインフラ基盤がまだ整っていないからです。

一方インターネットなどデジタルな世界では日々膨大な量のデータが蓄積され、主にマーケティングなどを通じてビッグデータが活用されています。
しかしビッグデータが真に力を発揮するのはリアルにおいてであり、そのためには人々の行動データなどを収集するインフラ基盤が必要不可欠です。

そこで注目され出したのがIoTであり、デバイス自体にセンサーなどを取り込むことでリアルのユーザー行動データを収集しつつ可視化することが可能となります。

こうしたビッグデータ活用の背景から、IoTが活発化していると言えるでしょう。

IoTについての詳しい解説はこちらをご覧ください。

1.データ分析者確保の課題

IoTが浸透した世界では、ウェアラブルデバイスやスマート自動者などIoT製品から生み出される膨大なデータ量の分析が不可欠です。
ユーザーにとって利便性の高いIoT製品とはデータを分析することで提供する“フィードバック”であり、IoTにおける重要なキーワードでもあります。

将来的にIoT製品から取得出来るデータはAI(人工知能)が分析を行いユーザーにフィードバックを返すという構図がありますが、AI自体まだまだ本格的な実用段階にありません。

そこで必要になるのが人によるデータ分析、つまりデータサイエンティスト(データ分析者)の力です。
しかしデータサイエンティストは注目の人材でありつつも世界中で人材不足が叫ばれており、各業界において争奪戦や人材教育が活発化しています。

有用なIoT製品を生み出すには優秀なデータサイエンティストの確保が重要視されているので、今後も人材不足の課題は拡大していくでしょう。

そんな中にも人材不足を解消する兆しはあり、その代表格がデータ分析モデルコンペンションサイトの「Kaggle(カグル)」です。
このサービスは世界中で登録されている30万人のデータサイエンティストに対し匿名で自社データを提供することで、最適な分析モデルのコンペを行えるというもの。
ユーザー企業はデータサイエンティストを確保することなく、自社データの最適な分析モデルを構築することができます。

こうした需要も今後も高まる傾向にあり、近い将来データサイエンティストとデータ分析を依頼する企業をマッチングしたクラウドソーシングなどがリリースされるのではないでしょうか。

2.エンジニア確保の課題

IoTを実現するためには、アプリケーション開発/データ通信/ネットワーク/サーバ/データセンターなどなど、広範囲な技術が求められます。
こうした技術を全てカバーしたエンジニアを確保するのは非常に難しく、また各分野のスペシャリストを確保するとなるとかなりの人件費が発生してしまいます。

データサイエンティスト同様深刻な課題ですね。

こうした課題の解決は、最低限のエンジニアを確保しつつIoTBaaS(※1)やMBaaS(※2)を活用することです。
既に各方面で実用化が進むBaaS/MBaaSはサーバサイドの技術を不要とし、IoTを構築するシステムインフラをクラウドで提供しています。

つまり最小限のエンジニアリソースでIoT製品開発に取り組めるということです。

今後もこうしたインフラが整備されていくことで、IoT製品開発がより容易になり活発化していくでしょう。

※1:BaaSとは「Backend as a Service」の略であり、サーバサイドのコードを書くことなくシステム開発環境を提供するサービス。

※2:MBaaSとは「Mobile Backend as a Service」の略であり、モバイルアプリケーション版BaaSを指す。

3.電力供給の課題

シスコシステムズやIBMの予測通り、IoTデバイスが数百億個にも上るとすれば課題として浮き彫りになるのが電力供給です。
全体的な電力問題はもちろん、各IoTデバイスに対し「どのように電力供給を行うか?」が重要になります。

IoTデバイスのほとんどはワイヤレス構造で設計されているので、必ず定期的な電力供給を必要とします。
要はスマートフォンやノートPC同様にバッテリーがなくなれば当然充電しなければなりません。

しかし、IoTデバイスが増加し人々の生活に深く根を張るようになったら各デバイスへの電力供給は複雑化し、よりユーザービリティの高い電力供給技術が必要となります。
事実IoTデバイスの開発が進む現在においても、省電力デバイスは存在するものの電力なしで通信を可能にするデバイスは存在しません。

こうした課題に対し非接触型電力供給技術の開発が進んでいますが、実用化はまだまだといったところです。

また、IoTデバイスが街中に溢れるようになると自治体によるインフラ基盤の整備も必要となってきます。
各デバイスには個人識別とクレジットカードとの紐付けを可能にするIDが埋め込まれ街中のいたるところで電力供給が可能になり、ユーザーが使用した電力分だけ決済される。

こうしたインフラ基盤が整備されなければ、真のIoT時代は訪れないと言えるでしょう。

4.ヒューマンエラーに対する課題

IoT時代では様々なデバイスが自律的に稼働し、ユーザーに多くの利便性をもたらします。
しかしながら、IoT製品自体を開発/設定するのは人間に他ならずそこには必ず“ヒューマンエラー”という課題が潜んでいます。

実際に自動ブレーキングシステムを搭載した自動車が事故を引き起こしたという事例がいくつか発生しており、原因はいずれも「自動ブレーキングシステムの設定を忘れていた」といったようなものです。

データサイエンティストの確保や電力供給の課題が解決したとしても、最も大きな壁として立ちはだかるのはこの“ヒューマンエラーに対する課題”かもしれません。
この課題をクリアするためにはIoT製品のプログラミング段階から人の手を排除する他なりません。

つまり、AI(人口知能)によりIoT製品をプログラミングしたり、設定などを行うということですね。
しかし前述したようにAIの実用化はまだまだであり、各研究機関の開発に期待が集まっています。

5.セキュリティに対する課題

IoT時代最後の課題は、やはりセキュリティに対する課題です。
2016年におけるサイバー攻撃件数は減少傾向にあるものの、未だ深刻性は回復していません。
また、国内大手企業の65%が「サイバー攻撃は防げない」と言うほど年々巧妙さを増してきています。

ではもしもIoTデバイスが増加し、ネットワークに接続されてりうデバイスが増加したら?
攻撃者からすればターゲットが増加したことになり、急激な速度でサイバー攻撃が増加していくと予測できます。

事実、こちらのIoT解説記事でも紹介していますが、各方面の研究や事例によりIoT製品によるサイバー攻撃は用意であると実証されているます。
このためセキュリティはIoTにおけるかなり重要な課題と言えますね。

IoT時代では企業だけでなくユーザーもよりセキュリティ意識を高めなくてはなりません。
現代よりIT機器がもっと身近になり、サイバー攻撃者も身近な存在として感じられるようになります。

不正な情報搾取や不正操作に対抗するためにも、世界レベルでセキュリティ対策意識を高めなければならないでしょう。

まとめ

生活の利便性やビジネスへの活用が注目されているIoTですが、以前課題は山積みの状態です。
これらの課題をクリアしないことには真のIoT時代の到来はまだまだ先の話になるでしょう。

各課題に対する解決策も徐々に明確化されており、今後はIoT課題に対する研究開発が進んでいくとされています。
今後はIoTに対するユーザーの理解を深め、多方面で協力を得る必要も出てくるでしょう。

皆さんは活発化するIoT事業をどう捉えていますか?「一過性のものに過ぎない」と一蹴する方も多いかもしれませんね。
しかしIoT時代は着々と築かれつつあり、この変化に対応できなければ大きなビジネスチャンスを逃してしまうかも可能性もあるので要注意です。

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