システム

第三者保守を利用して基幹システムのコストを下げる

基幹システムの運用保守に費やすコストが大きすぎて、新しいITへの投資ができずビジネスが停滞している。そんな企業が多いことをご存知でしょうか?本稿を読まれている方の中にも、「うちの会社がそうかもしれない…」と思い当たる節があるかもしれませんね。

基幹システムといえば1990年代か後半から2000年代中頃までERPの導入が流行しました。当時は運用保守費用だけで機能をどんどん拡張でき、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)やグローバル戦略の推進に役立ってきました。しかし、真新しい技術も無くなれば流行は過ぎ、2006年頃からは多くのERPベンダーがクラウドでのサービス提供にビジネスモデルを移行しています。

それでも一度導入したERPを刷新することは莫大なコストがかかる上でに、既に運用保守費用に莫大なコストを費やしているという現状があります。レガシーなERPユーザーからすればまさに「首が回らない状態」でしょう。

にもかかわらず法改正など強制的にシステムを変更しなければならない状況では、ERPベンダーが提供するアップグレードに対応しなくてはならず、さらに莫大なコストがかかります。

そこで今回ご紹介するのが第三者保守サービスを利用した基幹システム運用保守費用の削減についてです。皆さんが現在抱えている基幹システムの運用保守に関する問題は、このサービスで解決するかもしれません。

第三者保守サービスとは?

第三者保守サービスとは文字通り、ユーザー企業でもERPベンダーでもない第三者がERPの運用保守にあたるというサービスです。類似したサービスとしてEOSL保守サービスがあります。EOSLとは「End of Service Life:メーカー保守期間終了」の略であり、メーカーが提示する保守期間が終了したソフトウェアや機器に対して、代替機や保守部材をサービス提供会社が確保してシステムを延命するためのサービスです。

それに対して第三者保守サービス保守期間を終了していないシステムにおいても、第三者が運用保守を担ってくれます。このサービスはクラウド化が続くIT社会の中でも市場を堅調に拡大しています。矢野経済研究所が行った調査によれば第三者保守サービス市場は2020年までに年平均8.7%で成長し、市場規模は112億6,000万円に到達する見込みです。

引用:ZDNet Japan「第三者保守サービス市場は堅調も、マイナス要因は「クラウド化」–矢野経済研究所

クラウド化というマイナス要因があるにもかかわらず市場が成長しているのは、ERPベンダーによる運用保守サービスに問題を痛感しているユーザー企業が多く、ERP以外のIT投資に積極的な姿勢を見せているためでしょう。

では、第三者保守サービスを利用することでどれくらいのコスト削減効果が期待できるのでしょうか?ここでは世界で1,450社以上に第三者保守サービスを提供するリミニストリートの情報を例に考えてみます。

まず、同社がホームページにしてアピールしているポイントがサポート総コストを最大で90%削減するという点です。SAPソリューションにいたっては平均して50%の運用保守コストの削減を実現しています。

つまり単純に考えれば、現在の運用保守コストから50%程度の削減は期待できるということです。もちろん、ベンダーによってサービス内容や削減率などが異なるため、一概に50%削減できるとは言えません。

ただし、そもそも第三者保守サービスは現在の運用保守コスト削減のための利用するものなので、何らかの削減効果が表れると考えてよいでしょう。

第三者保守サービスの選び方

では、現状の運用保守を踏まえてどういった第三者保守サービスを選べばよいのか?巷では「運用保守コストを80%削減した!」などの事例が出回っていますが、まず大切なのはベンダーがどういった保守プログラムを提供しているかという点です。

たとえば先述したリミニストリートの場合、通常の運用保守に含めてユーザー企業の独自に開発したアドオンの保守や、場合によってはERPベンダーでは対応しきれないパッチ処理などにも対応します。一方で国内大手のデータライブはサポート保守期間が終了したサーバーやネットワーク機器の保守を中心にサービスを展開しています。

ちなみにデータライブが提供するサービスの特徴は「サイトスペアパーツサービス」です。これは現地において事前にスペアパーツを配備しておき、障害等が発生した際は迅速に復旧作業に取り掛かれるというサービスです。

第三者保守サービスを選ぶ際は、まず各ベンダーのサービス内容や特徴を理解することが大切です。

その次に重要なポイントが担当者の理解度でしょう。第三者保守サービスの場合、クライアントに対して固定の担当者が就くのが一般的です。良く言えば自社が抱える課題を親身になって聞いてくれますが、悪く言えば担当者の質によってサービス利用の効果が大きく異なります。

なので第三者保守サービスを利用するにあたって担当者の見極めはとても重要です。見極めのポイントとしては一定の熟練度・事業内容への理解度が挙げられます。必ずしもベテラン担当者が点くと良いというわけではなく、取り組みの姿勢によっては一定の熟練度さえあれば十分です。自社の事業内容への理解を深めてくれるような担当者は、大きなサービス利用効果をもたらしてくれるでしょう。

以上のように、第三者保守サービスを検討する際はベンダーごとの保守プログラムと担当者の見極めに重点を置きましょう。

運用保守コスト削減以外にも大きな効果が

第三者保守サービスを利用することで運用保守コストを削減できる効果以外にも、利用するメリットはあります。それが人件費削減IT人材不足問題の解消です。

ベンダーによっては保守プログラムが日常に運用作業にまで発展する場合もあります。ERPのアドオン開発を支援したりといった内容です。そうした場合、運用保守にかかる人件費を削減できます。それによってIT人材不足を解消するというメリットもあるでしょう。

日本は現在慢性的なIT人材不足にあり、経済産業省によれば2015年時点でのIT人材不足は約17万人。これが2030年には79万人に拡大する見込みです。

引用:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~ 報告書概要版 ~

深刻化するIT人材不足問題に対し、第三者保守サービスはその最適解となるかもしれません。

皆さんがもしもERPベンダーの運用保守サービスに不満を感じ、他のIT投資ができないと実感しているのであれば第三者保守サービスを検討してみてはいかがでしょうか?一度ベンダーに相談してコスト削減効果を知れば、その高い利便性に気付くかもしれません。

ODIP Enterprise Solution
ハイブリッドクラウドとは何なのか?ブログトップへ戻る